今回は管理会計についてシンプルに理解できるようにまとめたいと思います。
ベースになる知識は損益計算書になりますので、こちらの記事もご参照下さい。
法人設立したら知っておきたい会計のこと2「損益計算書を理解する」
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管理会計とはどのようなものか
会計には主に財務会計といわれるものと管理会計といわれるものがあります。
以前記事でまとめました損益計算書と貸借対照表は通常は財務会計といわれるものに区分され、中小企業であれば融資を受けるときに金融機関に提出したり、税務署に税務申告書を提出するときに作成されるものです。
したがって財務会計というのは、社外の人に見せるための書類ということになります。
これに対して管理会計というのは、外部に提出するための会計ではなく、社内で経営に活用するための会計です。
したがって管理会計の場合は決まった形などはありません。会社ごとに商売は違いますから、重点を置く項目なども違いますので、その会社にあった管理会計をつくりあげていくことが大切です。
また管理会計というと一般的には損益分岐点とか限界利益など、若干聞きなれないようなことが出てくるのですが、特にこのようなことを理解していなくてももっとシンプルに考えていいと思います。
個人的には経営者の方は損益をみていくときには損益計算書の知識があれば十分かと思いますので、その延長線上の管理会計を理解していればよいと思います。
管理会計で何を見ていけばよいか
管理会計というのは追求しようと思えばいくらでも深く追求することはできます。しかしスモールビジネスの会社ではそんな時間も費用もかけることはできません。
規模の小さい会社はまずはやはり売上とその利益をきちんと管理していくことが最優先だと思います。
そうなると、まず始めに行うべき管理会計は「商品別売上・商品別損益」になると思います。
なおサービス業であればサービス別売上・サービス別損益になります。
これを毎月管理することにより、商品ごとに売上と損益の状況を把握できるので、今後の販売戦略に活かすことができます。
会社の規模が大きくなってきたら
会社の規模が大きくなってくると、部門などがわかれてくることが多いと思います。
そうなってきたら「部門別売上・部門別損益」も導入していくのが良いと思います。
このとき、売上と原価は必ずその部門に紐付く状態にしておかなければいけません。
経費関係については、部門別に区分できるものについてはすべて部門に分けて、分けることができないものは共通経費を何らかの基準で分類して各部門に計上していきます。
部門別損益の精度を高めるためには、共通経費の区分基準をどのようにするかによって損益が結構変わってきてしまいますので、極力実態に合う基準を選定することが重要になります。