法人設立したら知っておきたい税金のこと4「税務イベント年間スケジュール」

法人を経営していく上で、税務関係の手続きなどを忘れるてしまうと大変なことになるものが多いです。イベントが近づいてくると普通は税務署から通知が届いたりするので気づくのですが、そのまま放置してしまったり、知らないうちにスルーしてしまうおそれもあります。

税務関係のイベントについては年間のスケジュールと大まかな内容を把握しておけばあわてることなく対応できると思います。

法人の場合は事業年度が法人ごとに異なりますので、特に申告関係はどの法人にもあてはまるというわけではありませんが、同じ時期に行われるものもあります。

今回は3月決算法人を例に、4月から翌年3月までの年間スケジュールを整理してみます。なお消費税の中間納税は年1回のケースという前提にさせて頂きます。

 

毎月

まず毎月のイベントになるものですが、源泉所得税の納付があります。

従業員が10人未満で源泉所得税の納期の特例という制度を適用している場合には、一部の支払いについては半年に1回の納付が認められています。ですがこの特例を適用していない場合や、一部の支払以外のものについては毎月支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。

源泉徴収制度については以前記事にまとめましたのでご参照下さい。

 

 

 

5月 法人税・消費税・地方税の申告・納税

3月31日が決算日ですので、通常は2ヶ月以内に法人税・消費税・地方税の申告書と納税をしなければなりません。したがって5月31日までにこれらの申告と納税を行います。

なお5月31日が土日になった場合は休み明けの初日が期限になります。

なお事前に届出書を提出しておけば法人税と地方税はそこから1ヶ月延長することができますが、消費税には延長制度はありません。

 

法人設立したら知っておきたい税金のこと1「源泉徴収」

 

7月 源泉所得税(納期の特例)納付期限

従業員が10人未満で源泉所得税の納期の特例を適用している場合、その年の1月から6月までに源泉徴収した税金を7月10日までに納付しなければなりません。

気をつけなければならない点として、この源泉所得税の納期の特例制度の対象となっている支払いは、給与と報酬のうち一定のもの(士業などへの支払)のみになっています。

それ以外の源泉徴収が必要な支払があった場合、支払をした月の翌月10日までが納付期限となっております。

 

11月 法人税・消費税・地方税の中間納税

前期の上記税目の納税額によって、中間納税をしなければならないケースがあります。

①法人税 前期の法人税額が20万円以上の場合、前期の法人税額の半額を11月30日までに納税します

②地方税 前期の法人税額が20万円以上の場合、前期の地方税額の半額を11月30日までに納税します

③消費税 前期の消費税額が48万超400万円以下の場合、前期の消費税額の半額を11月30日までに納税します

 

12月 年末調整

年末調整というのはその年に支払った給与に対する所得税額を確定して、その年に源泉徴収した金額との差額を精算する手続きをいいます。

毎月の給与から源泉徴収する金額は「月額表」というものを使って行うのですが、それは本当に納める所得税ではなくて仮の金額になっています。最終的な所得税の金額というのはその年が終わってみないとわかりません。

したがってその年の最後の給与である12月の給与を支払う時点で基本的には所得税が確定します(確定申告で確定する場合もあります)ので、それと今まで源泉徴収した税額を調整する手続きが年末調整といいます。

年末調整は通常12月の給与支払時に行います。これは給与の支払をしている会社で行わなければなりません。対象になる人とならない人といたりしますが、詳細については後日まとめたいと思います。

ただし年末調整は12月に行うのですが、事前に従業員に周知したり書類等を配布したり、実際には11月くらいから準備をしておくのがよいと思います。

 

1月 源泉所得税(納期の特例)納付期限/法定調書の提出/償却資産税申告書の提出/給与支払報告書の提出

1月は税務イベント目白押しの月です。

上記4項目がすべて1月に集中しています。個人的にはこのスケジュールをなんとか分散してもらえないかと思います。

 

①源泉所得税(納期の特例)納付期限

従業員が10人未満で源泉所得税の納期の特例を適用している場合、前年の7月から12月までに源泉徴収した税金を1月20日までに納付しなければなりません。留意点は7月の欄に記載した内容と同様になります。

 

②法定調書の提出

法定調書(支払調書)とは税務署に提出する書類の名称ですが、1年間に支払をした相手先や金額などを支払の種類ごとに記載して提出しなければなりません。要するに支払先ごとに1年間の支払金額を集計して税務署に報告しろ、ということです。

税務署側ではこの資料をもとに誰がどこにいくら支払いをしているかを把握できるので、支払いがあるのに申告をしていない、などの情報を得られるということです。

1月の法定調書で提出しなければならない支払の種類としては、給与、報酬、不動産賃貸料、不動産の購入などがあります。

ちなみに上記以外でも、配当の支払調書などは1月でなくても、支払の都度提出しなければならないものも数多くあります。

 

③償却資産税申告書の提出

償却資産税というのは固定資産税の中の一種で、償却資産(使用とともに価値が下がっていく)に対して課税される税金です。

申告の対象となっているのは機械、備品などです。ソフトウェアなどの無形固定資産や自動車などは対象となっていません。

これらは1月1日現在に所有している資産について、その資産が所在する市町村に申告をします。この申告書をもとに、毎年5月頃に固定資産税の納税通知書が送られてきます。

 

④給与支払報告書の提出

給与支払報告書とは前年1年間に支払った給与などの情報を、その人が住んでいる市町村に提出する書類です。市町村はこの書類をもとに、その年の6月以降の住民税の金額を計算することになります。

6月以降からの情報なのに1月中に提出しろというのはどういうことでしょうか?個人的にはもう少し期限を延ばしていただきたいところです。

 

3月 各種届出書の提出

3月は決算月ですので税務イベントというほどではなく、任意である場合になりますが、法人税や消費税の申告に関して、来期以降に適用を受けたいものの各種届出書の提出期限となっているものが多いです。

具体的には下記のようなことをしたいとき、決算日までに提出することによって、来期以降適用を受けることができます。

①法人税

  • 棚卸資産の評価方法を変更する
  • 減価償却の償却方法を変更する

など

②消費税

  • 来期は免税事業者に該当しているが、還付を受けられそうなので課税事業者を選択したい
  • 来期から簡易課税制度を適用したい

など

届出書の提出は決算月には必ず確認して忘れることのないようにしてください。

 


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